“一人ひとりの幸せな人生”につながる教育を目指す、つくば市の取り組みについて聞きました/つくば市教育局
“子どもたちが一人ひとりが幸せな人生を送ること”を教育における最上位の目標とする茨城県つくば市。2012(平成24)年度から始まった小中一貫教育を通じて、「3つの転換」を重視しているという。今回はつくば市教育局の方に、つくば市の教育の現状や、研究機関が集うつくば市ならではの取り組みなど、幅広くお話をうかがってきた。
”一人ひとりが幸せな人生を送る”ため、つくば市が進める3つの転換
――まずはつくば市が大切にしている教育方針や理念についてお聞かせください。
つくば市教育局:2020(令和2)年3月に、教育の根幹である「つくば市教育大綱」を策定し「一人ひとりが幸せな人生を送ること」を最上位の目標として掲げました。市内の33校の公立小学校、13校の公立中学校、そして4校の公立義務教育学校においてその目標の達成のためには、“教えから学びへ”“管理から自己決定へ”“認知能力の偏重から非認知能力の再認識へ”の3つの転換が重要だと考えています。
まず“教えから学びへ”ですが、これは、子どもたちに「学びたい」という気持ちを抱かせ、身を乗り出して話を聞くような授業の実践です。“管理から自己決定へ”については、校則に代表される管理者目線のルールを見直し、子どもとともに自己決定の場面をつくるルールメイキングを大切にしています。
そして“認知能力の偏重から非認知能力の再認識へ”は、テストの点数など数値で測られる認知能力だけでなく、数値では測れない力、粘り強く取り組む姿勢や学びへの素直な姿勢、また他者と円滑にコミュニケーションをとる力などを育むことを大切にしています。これらを通して、最上位の目標である“一人ひとりが幸せな人生を送ること”の実現に取り組んでいます。
――つくば市の小中一貫教育について、これまでの経緯を含めて概要を教えてください。
つくば市教育局:つくば市は、2007(平成19)年度から小中一貫教育導入の検討を開始し、その5年後にあたる2012(平成24)年度から、市内すべての小中学校で本格的に開始しました。そのなかで中学校区を“学園”とし、学園ごとに小中一貫教育を行っています。教員同士の連携が深まるだけでなく、中1ギャップの解消につながるなど、安定的な学びを提供するという意味において、その仕組みがより強固なものになったと考えています。

つくば市教育局:2012(平成24)年度から2018(平成30)年度にかけて4つの義務教育学校が開校しました。1人の校長のもとで教職員が連携し、9年間を計画的に進めていく義務教育学校ですが、児童・生徒数の増加は予測以上で新設校も増えています。たとえば、子育て世帯の流入が増えている「みどりの」駅周辺地区には、2024(令和6)年4月に「みどりの南小学校・みどりの南中学校」が開校しました。
研究機関が集うつくば市、その魅力を存分に活かした「つくばスタイル科」を推進
――つくば市独自の授業「つくばスタイル科」について聞かせてください。
つくば市教育局:「つくばスタイル科」は、子どもたちが自ら考え、発信していく探究型PBL(Project Based Learning)です。本質的な問いを見つけることが重要であるとし、教師が用意したテーマだけでなく、身の回りの疑問や、解決したいことを見つけてもらいます。そして次のステップである情報収集については、書籍やインターネットだけではなく、実験や観察をしたり、必要な時には研究施設等を訪れたりして知り得たことを可視化して整理、分析します。時にはクラスの枠を超え、協力しながら意見を言い合い、最終的にはプレゼンテーションという形に帰結します。可能であれば学校内だけでなく、保護者や地域のも発信してもらえたらと考えています。
つくば市教育局:ここで大切になってくるのは、課題に取り組むなかで見つかる新たな課題です。つまり問いを繰り返しながら学びが循環していくということです。また、研究者が学校に出向いて講義する「つくば科学出前レクチャー」などの市の事業もあり、学びの循環に触れる環境が整っていると言えます。
――最後に、つくば市の魅力を教えてください。
つくば市教育局:つくば市は、2010(平成22)年から“自転車のまち”を掲げており、「つくば市自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」を施行するなど、自転車を安全かつ快適に利用できるまちづくりに取り組んできました。2023(令和5)年11月には、国内最大級のBMXコースを備えた自転車施設がオープンしたほか、全長約180kmのサイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」にも隣接しており、筑波山麓の雄大な景色を眺めながらサイクリングできます。筑波山麓には、筑波山参拝の門前町として栄えた風情ある街並みが魅力の北条エリアや「筑波山梅林」などがあり、散策しがいのある一帯となっています。

つくば市教育局:また、古くから信仰の対象であった筑波山に鎮座する「筑波山神社」をはじめ、奈良・平安時代の役所跡であり、3棟が復元されている「平沢官衙遺跡」、「小田城跡」など歴史という観点からも見どころはたくさんあります。このような市内に点在しているスポットを、心地よい風を感じながら自転車でも巡っていただけると嬉しいですね。

つくば市役所
所在地:茨城県つくば市研究学園1-1-1
電話番号:029-883-1111
URL:https://www.city.tsukuba.lg.jp/
※この情報は2025(令和7)年10月時点のものです。
