偕楽園
石川県の「兼六園」、岡山県の「後楽園」とともに、日本三名園として数えられる「偕楽園」。江戸時代1842(天保十三)年に、水戸藩九代藩主・徳川斉昭(なりあき)によって造園。国指定の名勝、史跡にも指定される、水戸が誇る文化財のひとつだ。梅の名所としても知られ、地元だけでなく全国から訪れる人気の観光スポットでもある。
30歳で藩主に就任した斉昭が藩政改革の中で、特に力を注いだのが藩校「弘道館」と「偕楽園」の創設だった。弘道館で文武を学んだ後に、心身を休め鋭気を養ってほしいと、一対の教育施設として構想され、藩士のみならず領民への開放も目的としていた。
表門から入ると孟宗竹林が広がり、こちらも見どころのひとつ。弓の材料にも良いと、斉昭が京都から移植した。斜面に沿ったおよそ1000本の孟宗竹は竹林となり隣接する杉とともに、圧巻の景色を見せてくれる。
斉昭が自ら設計を手がけ領民も楽しめた「好文亭」や、一日約100トンの水が湧出する「吐玉泉」など見どころが満載の偕楽園の中で、もっとも人気が高いのは春の梅林だ。梅林には月影や虎の尾など約100品種、3000本の梅が植えられ、次々と咲く風景は壮観で、この季節には多くの人が訪れる。
他にも周辺には、弘道館や常磐神社など見どころもたくさん。かつて水戸城の堀としての役割も担った千波湖は、一周ぐるりとできる周回コースが整い、ウォーキングやジョギングが楽しめる。周辺を含めたら1日では足りないほど見どころが満載の偕楽園。古に思いを馳せ、歴史と自然を楽しみながら歩いてみよう。
偕楽園
所在地:茨城県水戸市常磐町1-3-3
電話番号:029-244-5454(偕楽園公園センター)
開園時間:2月中旬~9月30日 / 6:00~19:00
10月1日~2月中旬 / 7:00~18:00
https://ibaraki-kairakuen.jp/